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熱中授業

  
世界史授業ライブ@ 
   ――使えるプリント付き――
 
伝説の数学教師エスカランテ先生の授業にまなび世界史とエンタテインメントを融合した名調子(授業開きから「後漢」まで25時間分の授業)を完全収録。必ず力がつくプリント(山川版教科書対応)付き。                   
著者=河原孝哲
体裁=A5・208ページ
本体価格=2,000円
発行日=2011年3月20日
ISBN=978-4-88527-200-4
在庫=あり
   
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目次

授業開き〜紀元と世紀の概念
 ―はじめ良ければ、すべて良し
2≫ 古代オリエント 
 ―授業のやり方をていねいに
3≫ 古代エジプト
 ―生徒を世界史好きにする絶好のチャンス
4≫ ヘブライ人と古代オリエントの統一 
 ―生徒が世界史を嫌いになり始める難所
5≫ ササン朝からギリシア世界へ 
 ―文化と地理が重要なポイント。途中で音楽や家庭科も
6≫ エーゲ文明からポリスの成立へ
 ―写真資料を使いまくろう。ヴィジュアル系の授業を!
7≫ アテネとスパルタ〜ペルシア戦争へ 
  ―アテネの歴史を2時間もかけてやるのには理由が
8≫ ペルシア戦争〜ペロポネソス戦争
 ―民主主義の長所と欠点をアテネの興亡で学ぶべし
9≫ ヘレニズム〜ギリシア文化の導入 
 ―この若者のせいでギリシア文化が世界に広まった
10≫ ギリシア文化
 ―難しい用語を生徒にわかりやすく翻訳
11 ≫ ローマの建国から共和政へ 
 ―あの「ローマ人の物語」はここから始まった
12≫ ポエニ戦争から内乱の一世紀へ 
 ―生き残るための壮絶な「仁義なき戦い」
13≫ カエサルから帝政ローマへ 
 ―人名のオンパレード!皇帝たちの名前と業績が大切
14 ≫ 西ローマ帝国滅亡への過程 
 ―社会の変化がテーマなので、説明を上手にやりましょう
15 ≫ キリスト教の成立〜迫害・国教化 
 ―宗教史の扱いは問題が多いので慎重に教えましょう
16 ≫ ローマの生活と文化 
 ―ギリシア文化と混同しやすい。ラテン語の人名もやっかい
17 ≫ インダス文明〜仏教・ジャイナ教 
 ―山と川と峠、地理が重要。あとは宗教が中心です
18 ≫ 古代インドの諸王朝と仏教保護 
 ―主な内容は王朝の変遷。仏教史も重要
19 ≫ 東南アジアの諸文明 
 ―地理を入り口に東南アジアを身近に感じさせましょう
20 ≫ 中国の古典文明〜殷
 ―やはり導入は地理から。中国考古学の成果にも注目
21 ≫ 西周から東周、春秋・戦国時代 
 ―封建制度の理解が重要
22 ≫ 春秋・戦国の社会と諸子百家 
 ―世界史で避けて通れない文化史は諸子百家とルネサンス
23 ≫ 秦から前漢の成立 
 ―中心人物の性格をはっきりイメージさせましょう
24 ≫ 前漢と後漢
 ―郡県制と郡国制の違いがポイント。後は武帝の政策が中心
25 ≫ 後漢と漢代の文化 
 ―内政は「党錮の禁」のみ重要。文化や東西交流を押さえましょう

 
本書「まえがき」より

 かなり以前ですが、ロサンゼルスの貧困地区の高校を数学で全米屈指のトップ校にした、ボリビア出身の数学教師ハイメ=エスカランテ先生の特集をNHKテレビで見たことがあります。その授業の風景に私は圧倒されてしまいました。
 中年の小太りの先生が、まるでエンターテイナ―のように、シルクハットをかぶってマジックショーの手振りで数学の授業をやっていたのです。生徒はみな熱心に集中して見ていました。先生の授業はまず楽しいのです。
 楽しいだけではありません。土曜日の午前中は数学の補習にあて、授業では毎回小テストがおこなわれます。勉強の楽しさと厳しさの中に浮かび上がるのは、エスカランテ先生の、すべての生徒の持っている成長の可能性への確信でした。このエスカランテ先生の物語は“Stand and Deliver”(日本名「落ちこぼれの天使たち」)という名で映画化されました。
 エスカランテ先生は2010年3月に、貧窮のうちに亡くなられました。しかし、生徒に向かう先生の姿を私はどうしても忘れることはできません。エスカランテ先生の授業こそ、私の授業の原型であり、また永遠に目指すべき目標でもあります。

本書に掲載した授業プリントについて
 私が自分で作ったプリントを用いて授業をしたのには理由があります。それは板書を書くのが遅いことが理由でした。最初は板書で授業をおこなっていたのですが進度がこなせません。そこで、授業のスピードと授業理解のバランスを保てる方法を考えました。その結果が「プリントを用いた授業」でした。プリントの内容は、実は板書の内容そのものです。
 重要な語句は(  )にして、生徒が書きこむようにしてあります。「板書では色チョークで書きこむ部分」にあたるのが(  )の部分です。この(  )部分は、普段は(  )の内容を黒板に書いていきます。
 この本におけるプリントの難易度は、センター入試以上の難関大学にも対応できるレベルに設定してあります。

本文のシナリオについて
 アンダーラインで示してある部分は、第一回目の授業で示されるように、生徒がノートの右側に書いていく内容です。この部分は基礎的な用語解説や、難関大学入試に必要な知識が含まれています。プリントに書かれていること以外の世界史の重要な部分をアンダーラインで示してあるとお考えください。このアンダーライン部分を口頭で生徒に伝え、試験に出題すると生徒は授業に集中して、ノートをしっかりとってくれます。
 プリントに書かれていない部分で、超難関大学受験用に必要な用語や事項がある場合は、シナリオ部分にその旨を書き添えて、付け加えておきました。

授業で使用した教科書と資料集について
 この授業例で使用している教科書は、多くの高校で採用されていると思われる「山川出版社『詳説世界史B』改訂版」を用いています。

 生徒が興味を持ってくれるためには、色々な手段を用います。マンガやアニメ、ドラマ、お笑い番組まで使います。目的は生徒がともかく歴史に興味を持ってくれることです。そして生徒は実際に興味を持ってくれました。「興味を持つ」という初めの一歩から、生徒が成長の可能性をどこまでも豊かに伸ばせること、これが私の望みであり、授業で実現してみたかったことです。

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