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歴史的思考力を養う 資料から分かることは? |
資料で学ぶ日本史120時間 120時間分の資料と解説を各見開き2頁に収める。最近の歴史学・歴史教育の成果をふまえ、資料から分かることは何かを示す。特にテーマ学習20時間は現代の課題と重ねて歴史的思考力を養うのに最適 ■著者=小松克己・大野一夫・鬼頭明成 |
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■目次 (*=テーマ学習) 第1章 原始社会から国家の成立へ 紀元前の世界と日本列島 日本の旧石器文化 縄文時代の社会と文化 弥生時代の社会と文化 邪馬台国と大和政権 大和政権と東アジア 第2章 古代国家の確立 古代国家の形成と世界 飛鳥時代の政治と文化 大化改新と壬申の乱 奈良の都と東大寺 律令制と民衆 平安京と東北 王朝国家と平安文化 *@ 原始・古代の北海道と沖縄 第3章 中世社会の成立 中世ヨーロッパとアジアの世界 荘園と公領 院政と平氏政権 鎌倉幕府の成立 承久の乱と御成敗式目 地頭と農民 鎌倉時代の仏教と文化 モンゴルの勢力拡大 *A 原始・古代・中世の女性たち 第4章 下剋上と民衆の成長 イスラムの広がりと世界 鎌倉幕府の滅亡 室町幕府の確立 中国・朝鮮と日本 産業と流通の発達 土一揆と惣村の発達 室町文化 *B 中世の北海道と沖縄 第5章 近世社会の成立 オスマン帝国の最盛期と大航海時代 戦国大名 鉄砲伝来とキリスト教 織田信長の天下布武 豊臣秀吉の全国統一 秀吉政権の朝鮮侵略と桃山文化 江戸幕府の成立 宦u鎖国政策」と4つの口 幕府と藩の民衆支配 *C 中世・近世の朝鮮通信使 第6章 幕藩体制の展開と動揺 近代ヨーロッパの成立と世界 産業の発達・村と農民 都市・交通の発達 元禄文化・儒学の発達 幕政の展開 百姓一揆の高まり 田沼政治と寛政の改革 国学・蘭学と化政文化 ゆきづまる幕府政治 *D 近世の北海道と沖縄 第7章 近代への転換 近代社会の発展とアジア・アフリカ 開国と社会の変動 尊王攘夷運動から倒幕へ 民衆と世直し 新政府の成立と天皇 富国強兵と民衆 新政府の外交 士族反乱と国会開設運動 *E 近世・近代の女性 *F 近代の教育 第8章 大日本帝国の形成と大陸侵略 帝国主義の時代 高まる自由民権運動 松方デフレ政策と激化事件 大日本帝国憲法の制定 初期議会と条約改正 日清戦争と朝鮮 日清戦争後の東アジア 日露戦争と朝鮮 産業革命と社会問題 明治の文化 *G 近代の北海道と沖縄 *H 植民地・台湾の支配 第9章 第1次世界大戦と大正デモクラシー 第1次世界大戦と民族運動 朝鮮の植民地化と大逆事件 日露戦争後の社会と民衆 第1次世界大戦と日本の参戦 第1次世界大戦後の世界と日本 米騒動と社会運動 普通選挙法と治安維持法 大正デモクラシー期の文化 *I 3・1独立運動と日本 *J 近代社会の子どもたち 第10章 15年戦争と日本 世界恐慌と第2次世界大戦 侵略戦争への序幕 世界恐慌とファシズムの台頭 満州事変と「満州国」 日中全面戦争へ 日本軍の毒ガスと731部隊 国家総動員体制 アジア太平洋戦争 戦争加害と「創氏改名」 戦争中の生活 原爆投下と沖縄戦 日本の敗戦6 *K「満州国」の建国と崩壊 *L 15年戦争下の朝鮮 第11章 日本国憲法と戦後の世界 大戦の終結から戦後の世界へ 戦後世界と日本 日本国憲法の制定 武力放棄から再軍備へ 日本の独立と世界 アジア・アフリカ会議 安保改定とべトナム戦争 戦後世界と日本の高度経済成長 *M 戦後改革と現代の女性 *N 近現代の東南アジアと日本 *O 現代の韓国と日本 第12章 激動する世界と日本 1970年代以降の世界 ドルショックとオイルショック 冷戦の終結と世界・日本 経済大国と人々の暮らし 湾岸戦争と日本 バブル崩壊と失われた10年 人権を尊重する社会を築く 21世紀の世界と日本 *P 現代の中国と日本 *Q 戦後沖縄の歩みから *R 戦後社会の子どもたち *S ワークシート・家族の歴史 |
■本書「まえがき」より 私たちは、授業をつくるうえで根本的に大切なことは「どんな教材を用いて何を考えさせるのか」であり、それをおろそかにしてはならないと考え続けてきた。そこでその観点から、最近の歴史学・歴史教育の動向・成果をふまえつつ、歴史教育の一助となる基礎・基本的な一冊をつくりたいと考えた。そして、原稿を持ち寄り共同で討論し完成にいたったのが、本書『資料で学ぶ日本史120時間』である。 本書は、年間120時間の日本史の授業を想定し作成したものであり、目次を見ると明らかなように、通史88時間として、それぞれの1時間であつかう主な学習項目のプランとなっている。本文ではこれらについて見開き2ページで、左ページにはその時間内でポイントとするべきこと、生徒に認識させたいこと・強調すべきことなどを取りあげてみた。右ページにはその時間内で参考になるような文書史料の口語訳、地図、図表、絵巻物・絵画・写真、解説などを資料として掲載した。これらは簡便にすぐ活用できることを意識し作成した。特にここ数年の実践成果を踏まえて、絵解き・討論などの授業を意識した絵巻物・絵画・写真などを数多く取り入れている。本書でのテーマ学習20時間は、授業者が授業のヒントとして活用できることを想定し作成したが、授業プリントとしてそのまま使うことが可能になるようにしてある。 私たちはそれぞれが中学校・高校の現場で日本史授業を行うとともに、教科書の編集・執筆に携わってきた。その体験から、よりよい日本史教育に寄与できるように、これまで作成したり使用したりしてきたオリジナルの資料・写真・図版や教科書掲載の資料も収録した。さらに、本書にはこのほか、意識的に次のような特色を持たせることにした。 @ 120時間の構成にあたっては、原始・古代から現代までを無理なく学習できるようにしたこと。特に授業計画の不備などで近現代史の授業が駆け足になることがないようにした。 A 各章の冒頭で日本の時代の出来事と世界・東アジアの同時代の出来事を概観するとともに、地図でしめしたこと。これにより、日本史学習に世界史・東アジア史的な視点・内容をできるだけ加えて、世界史視野を広げられるようにした。これらも1時間に想定し総計120時間にしている。 B 授業でのポイントとするべきことや生徒に認識させたいこととして、民衆、平和・人権、未来への展望といった視点・内容を重視したこと。これらは、各時代の民衆が果たした変革的な役割に視点をあわせ授業を構成してほしいという願いとともに、21世紀の現在、民衆の果たすべき役割がますます重要であるという考えからである。 C テーマ学習の形で、日本史の中の女性、隣国の朝鮮・中国との関係、独自の展開をしてきた北海道・沖縄を系統的に理解できるようにしたこと。これらは本来、日本史教育の中でテーマ学習の形でなく年間の系統的な通史的授業の中に組み込むことが望まれる内容である。授業にあたってはそのような意識を持ちたいものである。 1時間の授業を組み立てるさい、本書を参考にしていただくと幸いである。掲載した資料についてはそれぞれの時間ごとに活用し「この資料からどんなことがわかるか考えてみよう」「この絵・写真からどんな時代像を描けるだろうか」「この文書からどんな時代であったのか読み取ってみよう」などと、問題を生徒に投げかけることができるような、そして生徒の主体的な活動をうながすような授業をつくりあげていただきたい。 |
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